スーモカウンターと住宅展示場、どちらに行くべき?

注文住宅を建てると決めたら、あなたならまず何をしますか?

 

多くの人が答えるのは「住宅展示場へ行く」ということでしょう。

 

家を買うならまず家を沢山展示しているところへ、というのは自然な考えです。

 

最近は、スーモカウンターなどの相談サービスや、パンフレットなどの一括請求サービスを真っ先に利用するという人も多くなっています。スーモカウンター以外にも、希望通りのハウスメーカーを探せるサービスがどんどん増えています。

 

資料の一括請求やハウスメーカーの紹介サービスなど、家づくりのサポートを行っているサービスはいくつかありますが、今回はひとまずその中でも最大手であるスーモカウンターを例にとって話をすすめていくことにします。

 

さって、住宅展示場もスーモカウンターなどのサービスも、注文住宅づくりのスタートとしてふさわしいものに見えますが、この2つはどのように違い、どちらを使うのが良いのでしょうか?

 

スーモカウンターと住宅展示場は全く違うもの

引き合いに出されることの多い「スーモカウンター」と「住宅展示場」ですが、結論から言えばこの2つは全く違うものであり「どちらが良いか?」と比べられるものではありません。スーモカウンターで得られるものと、住宅展示場で得られるものは全く違います。
より良い家づくりを目指すなら、どちらも活用するべきです。

 

ただ「どちらを先にするべきか?」という疑問なら答えは明らかです。家づくり初心者が最初に訪れるならスーモカウンター一択です。

 

どうしてスーモカウンターを先にするのか、その理由についてそれぞれの特徴と効率的な活用法を見ながら説明していきましょう。

 

スーモカウンターの特徴

スーモカウンターはリクルートの運営している注文住宅相談サービス。住まいに関する様々な相談を無料ですることができます。

 

●スーモカウンターでできること
・家づくりの基本を学べる
スーモカウンターでは、家づくりの進め方や住宅ローンの仕組みなど、住まいに関する様々なことについて学ぶことができます。間取りの決め方、資金計画の考え方など、難しそうに思えることも基本的なことから丁寧に説明。
何をしたら良いか全く分からない、専門用語は全然分からないという人でも安心して利用できる講座が揃っています。

 

・ハウスメーカーや工務店を紹介してもらえる
要望や好み、予算などに合わせたハウスメーカーや工務店を複数紹介してもらえます。たくさんの会社の中から条件の合うものを自分で探すのはとても時間がかかるため、こうしたサービスの利用で効率的に家づくりを進められるようになります。

 

・中立的な立場からアドバイスをもらえる
ハウスメーカーや工務店とは違う立場から家に関する相談に乗ってくれるのも大切なポイントです。
各社の営業担当にも相談することはできますが、どうしても自社に有利な説明になってしまうため、複数社を比べたい時には不便です。

 

・持ち家が良いか賃貸が良いかという相談もできる
「本当に大金をかけてマイホームを持つべきか?」というのも一度考えておくべき問題です。
幸い、リクルートでは賃貸情報やマンションの情報も取り扱っています。スーモカウンター自体は新築注文住宅のための窓口ですが、賃貸やマンションと戸建てを比べて比較することもできます。予算やライフスタイルによっては、家を買うよりも賃貸の方が向いていることもあります。一度詳しい人を交えてよく考えておくと安心です。
注文住宅の相談窓口で賃貸やマンションの話ができるかどうかはサービスによって違います。注文住宅を建てるのが大前提のところもあるため、事前に確認しておいてください。

 

●スーモカウンターを使う時に注意したいこと
・基本的な知識が中心
スーモカウンターの講座や解説は、基本的に「基礎知識」で初心者向けの内容になっています。ある程度住宅に関する勉強をしている人には物足りない内容でしょう。

 

特定の技術や設備について詳しい話が聞きたい場合や、具体的な間取りについて相談したいという場合は、スーモカウンターではなく直接ハウスメーカーや工務店に聞きに行きましょう。

 

・サポートはハウスメーカーや工務店を紹介するまで
スーモカウンターが家づくりの相談に乗ってくれるのは、ハウスメーカーや工務店を紹介し、契約が決まるまでになります。契約が決まった後は各社と話し合いを続けていくことになり、スーモカウンターからの連絡はなくなります。
一応、契約後もスーモカウンターで相談に乗ってくれないわけではないようですが、積極的にサポートを継続してくれるわけではありません。

 

また、スーモカウンターからの連絡についても、住宅会社を紹介した後や見学をした後は感想を尋ねる電話が頻繁にかかってきます。
しつこい営業のようなものはありませんが、電話が苦手だという人は注意が必要です。

 

●スーモカウンター上手な使い方
スーモカウンターを活用するなら、家づくりをスタートするところから利用するのがおすすめです。

 

初心者がめぼしいハウスメーカーや工務店を見つけるところまでの流れが構築されているため、まさに最初の一歩を踏み出すのにふさわしいサービスです。
マイホームを建てたいと思っているけれど、何をしたら良いか分からず、最初の一歩を踏み出せないという人に向いています。

 

反対に、すでにある程度家づくりについて考えており、気になるハウスメーカーや工務店がすでにいくつかあるという人には簡単すぎる内容に感じてしまうでしょう。

 

住宅展示場の特徴

今度は、住宅展示場について考えいきましょう。
住宅展示場はご存知の通り、各ハウスメーカーのモデルハウスが並んでいる場所で、建物を見学したり、各社で説明を聞いたりできます。

 

モデルハウスを訪れると日用品や洗剤、食品などのお土産をもらえたり、子ども向けのイベントを行っていたり、一種のテーマパークのような雰囲気もあります。

 

●住宅展示場でできること
・建物の実物を見られる
やはり本物の建物を見学できるのは大きな強み。
カタログでは分かりにくい色味や質感、サイズ感、肌触りなどを実感できます。

 

間取りや部屋のレイアウト、インレリアの配色、スイッチや照明の位置などは、使う予定のないハウスメーカーのものでも参考になります。予算的に厳しいけれど雰囲気がすきなモデルハウスも軽く見てみると良いでしょう。

 

・ハウスメーカーに直接話を聞ける
モデルハウスにはハウスメーカーの社員がおり、そこで直接住宅に関する相談をすることができます。そのハウスメーカーで採用している工法や設備、素材など詳しいことを聞くならうってつけの機会です。

 

その他にも、予算や土地、間取りなど住宅全般に関する相談もできます。一般的なことを聞く場合でも、そのハウスメーカーで家を建てることを想定した具体的な相談ができるため、よりマイホームの実現に近づけます。

 

●住宅展示場を訪れる時に注意したいこと
・モデルハウスは豪華すぎる
家の実物を見学できるモデルハウスですが、基本的にどのハウスメーカーも標準仕様よりもずっと豪華な使用で建てているという点には注意しましょう。
他社のモデルハウスを並ぶことになるため、目立たせるために外も中も高グレードのものを使用しています。

 

「モデルハウスの雰囲気に憧れて契約を決めたのに、実際に標準仕様で建てると全く雰囲気が違う!」というトラブルも珍しくはなく、あまりモデルハウスばかり参考にしてしまうのも危険です。
ハウスメーカーの中には、実際に建てられた個人の家を見学できるツアーを実施しているところもあるため、実態を知りたいなら住宅展示場よりもそちらに参加してみるのがおすすめです。

 

また、モデルハウスはたくさんの来場者を受け入れるために広くつくられているという点にも注意しておきましょう。特に玄関や廊下などの人の通り道は一般家庭よりも広く取られています。もし真剣に間取りや家具のレイアウトの参考にするなら、メジャーを持参して数字で広さを確認できるようにしておくと良いでしょう。

 

・時間がかかる
モデルハウスの見学には、想像以上の時間かかります。

 

中に入るとまず、アンケートへの記入を求められます。その後、建物内の見学を行い、歩きながら担当者に説明を聞いたり、自分の好みを伝えたりします。もし見学後も詳しい話をしたければ座って話ができます。
順番はモデルハウスによって違いますが、内容はおおよそこんな感じで、短くても1時間、長い場合は2時間程度必要です。

 

一度に訪れることができるのはせいぜい2件か3件が限度。住宅展示場にある多くのモデルハウスを全部見て回ることは到底不可能です。

 

・営業がしつこい
住宅展示場を訪れると、展示場にいる時はもちろん、家に帰ってからも営業の嵐に曝されます。

 

アンケートに連絡先を書いた場合、ほぼ確実に電話やダイレクトメールがあります。
講座や見学会の案内をされたり、今後どうするか、他に気になっているところはあるのかなど、人によっては根掘り葉掘り聞かれたりすることも。
目当てのハウスメーカーから連絡があるのは良いのですが、興味のないところからしつこい営業が続くとうんざりしてしまいます。

 

・大手ハウスメーカーのモデルハウスしかない
モデルハウスの維持にはお金がかかるため、住宅展示場にあるのは規模の大きい会社のものばかりです。小規模の工務店はモデルハウスを持っていないケースが多く、そうした会社と出会うことはできません。

 

●住宅展示場の上手な使い方
住宅展示場は広く、見学には時間がかかります。展示場に行った後に営業があることを考えても、むやみやたらにモデルハウスを訪れるのは止めた方がよいでしょう。

 

効率的にモデルハウスを回るためには、事前に候補を絞り、できることなら順番も決めておきましょう。
また、せっかくハウスメーカーの担当者に直接話を聞いたり実物をチェックしたりできる貴重な機会ですから、何を聞くか、何を見るかについてもあらかじめ書き出しておくのが良いでしょう。
いずれにしろ、ある程度家づくりに関する方向性がある程度決まっているのが大前提となります。

 

スーモカウンターと住宅展示場をうまく使って効率的な家づくり

もしこれから家づくりを始めようと考えているなら、まずはスーモカウンターへ行ってみることをおすすめします。最初に知っておきたい全体の流れや基本事項などを学ぶことができ、好みと予算に合わせたハウスメーカーをいくつかピックアップしてもらうことができます。
住宅展示場に行くなら、ある程度方針が決まり、候補にしたい会社が決まってからがおすすめです。何も決まっていない状態で見学に行っても、営業に流されて疲れるだけになってしまいます。